終わらない終電と夢

握手を終え、またいつかは上りたいラ・クロシェットの階段を降り、いつの瞬間に渡されたのかが全く記憶にないが大事に大事にパタつかせて持っているポラを見てみる。
うっすら浮かび上がる姿。
梨華ちゃん、圭ちゃんはプロですね。自分の一瞬のポーズ指定の言葉だけで、自分が何をしたいのかを完全に悟っている。想像していた通りの理想的なポーズと想像以上のカンペキな表情で写ってくれました。もうかわいすぎ!キャワいすぎ!キレイすぎ!
そしてオレはというと。
表情は・・・まあ普通に笑顔でいいんじゃない?こんなもんだよな。
服装は・・・まあ大丈夫、きちんとしているな。
そしてポーズは、・・・あああああっ! 自分にポーズ指定するの忘れた! 普通の2ショット写真がほしかったのに、テンパってポーズしてくれたうれしさでダブルピースなんかしちゃってるよ!
ダメだ。ダメすぎる!これじゃあ単に浮かれてる人みたいだよ! ってその通りなんだけどさあ・・凹
というわけで、マジヲタの弱さを完全に露呈してしまったポラになりましたww


さて帰宅となり、さっさと駅に向けて歩いた半ばのころ、連れにケータイで終電検索してもらった。
結果はギリギリ間に合うか間に合わないかの瀬戸際ということがこの期に及んで発覚。
渋谷駅までの500mくらい、コート着たまま走りました。ホットホット。
いつかのミュージカルのゼーゼー、ハァハァ。を思い出しました。
上野にて2分ほどの余裕にて終電に乗れてやっと落ち着き、電車内に人が少ないのをいいことにポラを取り出す。
梨華ちゃんの表情を見る。
「か、かわいい、かわいすぎる・・・ いい子だ・・・」
当たり前だがやっぱりオレの5年半は間違っていなかった。全肯定。5年半でいろいろな魅力を見せ続け、進化し続ける、自分にとっての史上唯一にして最強最高のアイドルが、ここでこうしてヲレのためだけに笑ってくれている。これを満足と言わずして何と言おう。
オレのポーズを見る。
「進歩しないな・・・」
5年半、たいした進歩もせずに貢ぎ続けるマジヲタが一人、そこに能天気な笑顔で写っていました。
こんな別世界の二人でも隣に並んで写ることができる。
そんなこの世界が、やっぱり何だか改めて楽しく思えてくるのは、オレだけでしょうか??

完。